ひまりんごの すごい 生存戦略


1. ようやく『輪るピングドラム』の最終話を視聴。もう何がって幾兄様の紡ぎ出すセンス・オブ・ワンダー、そして「運命の子たち」をはじめ橋本由香利お姉さまの素晴らしい劇伴の数々に酔わされた、それに尽きる。『銀河鉄道の夜』というより『よだかの星』ですね、百合厨の印象としては。陽毬を救いたい一心でその身を焼かれることすら厭わない苹果へ感情移入しすぎたせいかなとは思うんですが。ひまりんごエンドにも満足してますし。ひまりんごって、なんか「ぴこまりんご飴」と語感が似てて可愛いな。ぴこまりでっす☆彡 あ、あとちびっ子になった冠葉と晶馬を見て、転生して赤ん坊になったほたるを連想しましたね。セーラースターズの最終回だから幾兄様は関わってないけど。R劇場版でまもちゃんにがっつくヤオい異星少年は『星の王子様』だっけ。陽毬が自意識を保ったままプリクリの姿になり、ガラスの破片みたいなもので傷つきながら階段を上っていくシーンでは、ケリー・リンクの「雪の女王と旅して」(『スペシャリストの帽子』所収)という短編で、地図のかけらで足を血まみれにしながら歩くゲルダのことを思い出したり。やっぱりおそろいのリボン騒動と繋がってるんでしょうね、あれ。こうやっていろいろ連想を呼び合う作品、絵空事を連ねただけに思える作品ほど、実は個々にもっともフィットしうるリアリティを持っているんじゃないか、そう思う今日この頃。だいたいそんな感じです。



2. 前回SKEのことを書いたので今度はハロの話題。99年〜02年までCXで放送されていた「つんくタウン」という映画企画番組から輩出された新藤風監督の『LOVE/JUICE』をご存知の方はけっこうおられるかと思います。実際、百合ものを扱うサイトでレビューを書かれていることも多いですし。ビアンさんの中には辛口な評価をされる人もいましたけど、国産であれほど生活感に溢れるビアン映画ってそれまでなかったですから、画期的な作品だったんじゃないかと思いますね。やまじえびね先生の『LOVE MY LIFE』とほぼ同時期ですから。当のハロヲタは事務所が映画へ投資することをあまり快く思わない人が多かったみたいですけど...会長のお遊びみたいに感じてたようですね。で、つんくタウン発のビアン映画というのがもう1本あるんですよ。こちらはあまり話題に出ることも少なくて、ちょっとさみしいな、愛が、愛が足りないなと。

ロッキー・ホラー・ショー』も『オクラホマ!』もおったまげた!ミュージカル・コメディの快作!結婚式を逃げ出し、鏡の中に吸い込まれてしまった新婦がたどり着いた先は、女流詩人・サッフォーが弟子たちと同性愛にふけったと言う伝説からついたレズビアンと言う意味のレスボス島。なんと、そこは!同性愛者だらけの、レズちゃんのパラダイスだったのだぴょん! (DVD裏の紹介文より)

えーと96年にアメリカで製作された日本未公開の『Isle of Lesbos』という映画なんですが、もうタイトルからして「レスボス島」ですからね。ジェフ・B・ハーモンなる人物が監督・脚本・プロデュース・音楽・出演の5役をこなしているのですが、これがなかなかどうしていい映画でして。アメリカ南部の前時代ぶりを徹底的に茶化しつつミュージカル調に仕立てられていて、とにかくキャムプ。セットの安っぽさを逆手に取った演出が、とにかく心憎いばかりです。シリアスになりすぎることなくユーモアで問題を指摘するこのやり方は、99年のアメリカ映画『Go!Go!チアーズ』とよく似ていますね。あれも素晴らしくよくできた作品でした。同性愛についてまったく無関心だった人を身構えさせないあたり、ちゃんとエンターテインメントとして成立してるなと。邦版は『レズパラ』というタイトルで01年にDVDリリース。娘。の矢口・加護、そして稲葉のあっちゃんが声優として参加しております。あーこんなこと書いてたら、アギレラちんの『バーレスク』が観たくなってきた...百合要素はありませんけど、単純に目と耳が潤うんですよね、ああいう映画って。