悪い奴ほど手が白い

skb_mate022004-07-19

16日の日記を書いていて、はたといきあたったのがダンテの『神曲』。細かい内容についてはあまり記憶にはないが、そのイメージだけは鮮烈に残っている。以前グルーヴィー・ディクショナリーでも俎上にのぼったヒエロニムス・ボッスの「快楽の園」などは、まさにそのイメージにぴったりだ。もちろんウィリアム・ブレイクやギュスターヴ・ドーレによって描かれた挿し絵も、忠実にそのイメージを視覚化しているし、ロダンによる地獄の門などは、美術の教科書で繰り返し見たためか、頭に刷り込まれている。そしてデビルマンが、ドーレによる挿し絵をモチーフにした作品であることは、わりあいよく知られていると思う。なにしろ永井豪は、『神曲』をそのまま漫画化して出版しているのだから。記憶を辿ると、ツイン・ピークス以前に大ハマリした『ジェイコブズ・ラダー』(ヤコブの梯子=雲の間から差し込む陽光)、そして『羊たちの沈黙』(クラリスは、なにものかに父親を惨殺された、そのトラウマの暗喩。羊=生贄というイメージから)や『セブン』(七つの大罪・・・これは説明不要か)も同じ系譜に位置する作品だろう。そして日本だと、『夢』(黒澤明)などこの範疇に入りそうな気もするのだが、なんといっても『地獄』(石井輝男)、これがよかった。観たのもわりと最近だし(千日前のマクドの下にある映画館で観た)、あまりにも馬鹿げていて素晴らしかった。キレぶりでいくと、『ぼくらは青年探偵団』(まつざきあけみ*1に匹敵するんじゃないかと思う。どちらもオウム真理教ネタだし。丹波哲郎の『大霊界』も思い浮かぶが、しょせんは金持ちの片手間仕事。エド・ウッドにも水野晴郎にも『アタック・オブ・ザ・キラートマト』のジョン・デ・ベロにも『ブレイン・デッド』のピーター・ジャクソンにも『キラー・コンドーム』のマルティン・ヴァルツにも遠く及ばない。とまぁ、大きく話が脱線してしまったが、どうも『神曲』が絡むとハマりやすいようだ。いや、『神曲』でなくとも、たとえば『未来の二つの顔』(ジェイムズ・P・ホーガン/星野之宣)は、ミルトンの『失楽園』をモチーフにしているのだが、この作品にも相当ハマった。その理由なら、だいたいわかっている。以下、以前も引用した「ARTIFACT ―人工事実― | 坂本真綾vs水樹奈々」から*2

 音楽ライター?的視点による坂本真綾分析。


 それにしても、クラシックテイストが盛り込まれると、楽曲にはドラマ性が生まれると同時にやけにアニメっぽくなるのはなぜなんだろうか。


 この指摘は面白かったです。クラシックの大仰さがアニメ的なデフォルメっぽさを感じるのかも。アニメのBGMでクラシックはよく使われるから…というのも考えたけど、普通の映画やドラマだって使われるしなあ。

ぎゃふん。おれもちょっとぐらい「リロンブソー」した方がいいのかねぇ?まったく関係ないけど、ちょうど1年ぐらい前、わたしがギャーギャー騒いでた映画『69』(原作:村上龍)、もう公開されてるようですねぇ。が、あまり観にいく気がしないのはなぜだろう・・・。太田莉菜たんの扱いにねぇ・・・言いしれぬ不安をおぼえるんですわ。野郎ふたりをフィーチャーしすぎなんちゃいますか?レディ・ジェーンとアン・マーグレットが主役なんちゃいますのん?(←それはどこか都合的な部分が多い)原作のね、『ブック・エンド』(サイモン&ガーファンクル)のエピソードでキュンキュンしちゃったわたしとしては、その辺りをボカされるとむっちゃムカつくんですけど、どうなのよ?つうか『さくらの唄』(安達哲)って、『69』へのオマージュ的作品ですよね。相乗効果で思いっきり妄想ワールドはふくらみ倒してるってのに、それをブチ壊されたらほんと怒るよ。どうなのよ、その辺?観にいっても大丈夫なのか?そんなこととは無関係に、栗山千明たんの『下弦の月』は、かなり期待できそうなんですけど。