太陽は夜も輝く

数いるイタリア映画人のなかでも、タヴィアーニ兄弟がとりわけお気に入りだ。フェリーニパゾリーニのいいところだけを抽出したような魅力を感じる。だいたい、ナスターシャ・キンスキーシャルロット・ゲンズブールを対照的な役柄でキャスティングするところが、すでにあざとい。そしてトルストイの原作を、こうも厚ぼったくせずに描ききる手腕に、ただただ驚くばかり。ヴィスコンティとかは、たまにカルピスの原液を飲んでいるような胃もたれ感をおぼえることがあるんだが。大河ものといえば、ベルトルッチの『1900年』も、5時間という長さを感じさせない素晴らしい作品だった(なんか黒澤明ぽかったような記憶がある)。私見では、主演のロバート・デ・ニーロに依るところが大きかったのではないかと思う。