白昼夢

skb_mate022005-02-01

わたしのすべてが、あなたの視ている夢だったらいいのに。
凍てついた風が、月影を薙ぎ払う夜更け。
あなたの枕許には、お茶の入ったカップが置かれている。
わたしは夜気と水蒸気に溶け、ずっとずっと上昇し続ける。
肺のなかでひっそりと咲いている、あなたに捧げるための花。
そっと、確かめるように。その言葉を、口にしてみた。
想いの結晶なら、ずっと同じ場所にあったんだ。
けれどそれは、たった一度の無邪気な過ちから、永久に失われてしまった。
それでもかまわない、と思った。なぜだかは、わからないけれど。
努力なら、自分にできるだけはしてきたつもりだった。
でも、持てる力だけではどうにもならないことだってあるんだ。
幼い頃、何度も通った河原。あなたと一緒に歩いた河原。
それが、わたしの棺。千年後には、何になっているんだろう。
去年大阪で。あなたは確かに、わたしを愛していると言った。
そしてそれは、きっとオスロでも、レイキャビクでも、イルクーツクでも。
どこにいても、何になろうとも変わらないこと。