永遠の少女たちの物語

ダヴィンチ 2008/12月号

ダヴィンチ 2008/12月号

1. やばい、これはやばい。実写版セーラームーンで我が最愛のレイちゃん役を演じ、なおかつ映画化されたYoshi原作の『Dear Friends』では、本仮屋ユイカと女の子の友情をバーニングさせていたこともあり、北川景子のことがずっと気にはなっていたのですが、ここへきてやってくれやがりましたのですよ。『ダ・ヴィンチ』12月号誌上にて、映画『ハンサムスーツ』公開記念ということで、シナリオライターの人(例によって名前失念)と北川景子の対談記事とともに、「今月の表紙で、北川景子さんが手にしている本は」と題して彼女一押しの小説が紹介されているのですが、それがなんとですね、「2008-03-08 there must be an angel pt.1」、及び「2008-03-09 there must be an angel pt.2」にて繰り広げた、当サイト的「ここ5年ぐらいに出版されたもので、アタシを(百合的な意味で)萌やし尽したニクい本」ベストテン第1位の『蛇行する川のほとり』だったというわけなんです。表紙で彼女が手にしている本の装丁が目に入り、あれ?・・・もしかして・・・と記事に目を通してみると、これがビンゴ! そりゃーもう、興奮しましたね。リアル美少女が百合的なものを愛でるさまが、こんなにも破壊力を秘めていたなんて、わたくし今の今までさっぱり気付きませんでした。今年最大級の燃料となったことは間違いありません。

本、好きなんですよ。忙しい時ほど本が読みたくなるので、ドラマの収録の待ち時間に集中して読んだりしています。恩田陸さんは『夜のピクニック』で文体にハマって以来、新刊が出る度に読んでいます。『蛇行する川のほとり』は中でも大好きな一冊。恩田さんの小説って16〜17歳の少女が大人になっていく途中の、子どもっぽい危うさと、でももう大人になってきている艶っぽさを描く時の表現がすごくうまい。特にこの小説はほんと宝箱をあけて宝石を眺めているような気持ちにさせられるんです。文章もきれいだし、ひとりひとりの少女がありありと想像できる。私も女子高だったので、こういう先輩いたなって思いながら読みました。重い過去を抱えているのにそのことで人に甘えたりしない、香澄の凛とした強さがあまりに魅力的で、本を読んであまりそんなふうに思ったりはしないのに、いつか演じてみたいなって。実際の私はまだ夢見がちな毬子ちゃんに一番近いかな。

なんかもう、無意味に握りこぶしとか作っちゃいますね。くぅ〜っ! ってかんじで。ひと通り読んだなかから、よりによって『蛇行する川のほとり』を選ぶそのセンス。「snow * white - 恩田陸「蛇行する川のほとり」感想」によると、なんと『百合姫』でも紹介されていたらしいですよ。まじで映像化され、彼女が香澄を演じたりなんてしてくれちゃったりしたら、興奮のあまり卒倒すると思います。ほんとにやってくれないかなぁ。ガッキーが芳野で戸田恵梨香真魚子、んで夏帆が毬子なんてどうでしょう。太田莉菜と美波なんつうありえないカプが『ユモレスク 逆さまの蝶』で実現したわけですし、やってやれないことはないと思うんだけど・・・ていうか、もし『櫻の園』がヒットしちゃったりなんかしたら、勢い余ったえらいひとが手をつけたりなんかは・・・しないか。


「少女」の社会史 (双書ジェンダー分析)

「少女」の社会史 (双書ジェンダー分析)

竹久夢二の叙情的な挿絵を収めた少女雑誌、吉屋信子少女小説を耽読(たんどく)し、宝塚少女歌劇団のスターたちに胸ときめかせ、友人や上級生との妖(あや)しくも美しい親密な関係性を生きた「少女」たち。本書は、近代日本の都市新中間層の興隆とともに誕生した「少女」という存在のリアリティーを、社会的・歴史的・政治的な背景に照準しつつ分析した書である。(略)5章、6章では、そうした微妙な位置に置かれた少女たちの関係の築き方が、雑誌投稿、エスと呼ばれる少女どうしの親密な関係にそくして論じられている。丁寧な史料渉猟と周到な論理構成に支えられた本書の記述は大きな説得力を持つ。本田和子川村邦光らによる少女研究、乙女研究の系譜に連なる歴史社会学の労作といえよう。
asahi.com:「少女」の社会史 [著]今田絵里香 - 書評

2. 著者が京都大学で人間・環境学博士号を取得する際の論文を発展させた、アカデミックな少女研究本。お値段のほうもそれ相応に張るのだけれど、2章に渡ってエスを採り上げていることから購入を決意。少女道をきわめるため、基礎体力づくりには万全を期しますよと。