水に挿した花

さいきんやたらオタネタばっかりという指摘が目立つので、ちょっと趣向を変えて、アイドルの話でもします(変わってない?大きなお世話だバーロー)。わたしくが初めてハマったアイドルは、中森明菜でした。きっかけは、小5の頃に、「自分、アイドルでは誰が好きなん?」と訊かれたのに、当時のわたしはまったくアイドルのことを知らず、とっさに唯一知っていた明菜の名前を出したら、そういうことにされてしまったからです。好きだと言った手前、名前しか知らないのは問題があるだろうと思い、それまで毎月ロードショーとスクリーンの2冊を買っていたのですが、スクリーンをあきらめて明星だったか平凡だったかに切り替え、いろいろと情報を仕込むようになりました。で、彼女が出演する番組をチェックし、父親の目を盗んではちょくちょく観るようになりました。小6になってからは、またスクリーンを買うようになりました。いちいち雑誌を買わなくても、周りにネタを流してくれる友人ができたからです。ちなみにその子は、南米人だったんですけど。中学にあがってからはファンクラブにも入り、シングルだけでなく、アルバムも貸しレコード屋で借りるようになりました。が、そこでおニャン子、とりわけ河合その子から強烈な洗礼を受けてしまうんですが。のちに、工藤静香にもハマりました。うちの母親は、明菜や静香が大嫌いで、いわく「あんたは不健康そうな娘が好みやねぇ」、と。なんでそういう娘を好きになるのか、自分でもよくわからんのですが、おそらく鮎川まどかの影響があるんじゃないかと思います。群れるのが嫌いな、実は育ちのいい不良少女っぽいイメージですね。まぁ、その頃から<お嬢>&<ツンデレ>属性だったということでしょう。そして、坂道を転がり落ちるようにアイドルオタへ。だもんで、原風景はやっぱり明菜なわけです。ここでひとつ豆知識。原田知世が、87年にエルザをカヴァーした「彼と彼女のソネット」で、ロマーノ・ムスマラ作品を取り上げたことは広く知られていますね。が、もともとムスマラは、流行歌手ジャンヌ・マスと組んで名前を上げた作曲家です(劇伴仕事も多いですが)。86年に、そのジャンヌ・マスをカヴァーした「Modern Woman」で、明菜もムスマラ作品を取り上げています。ちなみに同年、小田陽子も世界的に大ヒットしたステファニー(レーニエ3世グレイス・ケリーの次女)の「恋はセンセイション」という、やはりムスマラ作品をカヴァーしています。話を戻しましょう。初めて買った明菜のシングルは「禁区」、アルバムは『Bitter and Sweet』でした。それからシングル「原始、女は太陽だった」「Tokyo Rose」までは、ほぼ漏らさずにチェックしていると思います。ただでさえ気の多いわたしくが、これだけの期間ひとりの人に執着するってのは、もう一生あり得ないと思います(そりゃそうだ、スタート地点が違いすぎるだろ)。数ある彼女の楽曲のなかで、もっとも思い入れの強い5曲を選ぶと、「禁区」「駅」「難破船」「水に挿した花」「二人静天河伝説殺人事件より」ですね。


禁区 詞:売野雅勇/曲:細野晴臣/編曲:細野晴臣萩田光雄
前半コント、後半歌みたいな編成の番組で初めて聴いた。ていうか、テレビの前にラジカセをセットして、息を殺して録音し、何度も何度も聴いた。もともと出任せでファンになったはずが、完全に虜になってしまったわけ。途中、隣にいた弟が漏らしたくすくす笑いまで録れてしまい、いまだにその声も一緒に脳内再生される。非常に迷惑な話である。
 詞:竹内まりや/曲:竹内まりや/編曲:椎名和夫
アルバム『クリムゾン』収録。なんかのインタビューで、明菜自身まりやの大ファンであり、なおかつこの「駅」が大変に好きであるというのを読み、わたしくもオートマチックにまりやファンとなってしまった。ポジパンバンドをやっていた頃(そういや、カジヒデキ田島貴男ポジパンあがりなんだよな)、この曲を何度もオープニングSEに使い、レイちゃんをフライヤーに使ったときと同じぐらい文句を言われた。
難破船 詞:加藤登紀子/曲:加藤登紀子/編曲:若草恵
難破船を熱唱する香里奈の姿
http://successmoon.blogzine.jp/tech/2004/12/post_74.html
香里奈かわいいよ香里奈。いや、冗談ですってば。ちゃんとyaeもチェックしてね。
水に挿した花 詞:只野菜摘/曲:広谷順子/編曲:西平彰
ぶっちゃけ、この曲がいちばん好きです。ハマってすぐ、広谷順子作品を漁りました。けど当時はなかなか情報が集まらず、村井邦彦に見い出されて、79年にみんなのうたに起用され、その後SSWデビューを果たした方だってわかったのは、わりと後になってから。ちなみにCLAMP作品も多く手掛けて(歌って)おられるのですが、またオタネタへいっちゃうので割愛。しかも、いま初期のアルバムがどこにあるかわからん・・・買い直すか。ていうかこの曲、好きすぎてあんまり聴けないかも。反射的にいろんなことを思い出して泣けてくるから。この曲がわたしくの中の最右翼だとしたら、静香の「奇跡の肖像」(これ、進行が前述の「Modern Woman」にすごく似てるんです。つうかいま思ったけど、「薔薇は美しく散る」にも似てるな)が最左翼だと思います。いや、カレリアも激しく捨て難いが・・・。
広谷順子さんのユニット綺羅 http://www.kira-net.com/
二人静天河伝説殺人事件より 詞:松本隆/曲:関口誠人/編曲:井上鑑
明菜がカドカワ映画の主題歌を、ってだけで鼻血ブー。とにかくお耽美な和風伝奇に耐性なさすぎる。もろに影響受けた歌詞を書いた過去アリ(chibinovaのCDRをお持ちの方なら、おわかりになるかと。ライブ音源の1曲目です)。ほんと、この頃までのカドカワ映画の主題歌には、たいていやられた。と思って、いま『晴れ、ときどき殺人』のサントラを聴いているのだが・・・朝川朋之の神っぷりが際立ってる、といえばいいのか。渡瀬マキのソロアルバム状態、といえばわかるかな。


それ以外のアイドルポップで思い入れの強い曲を選ぶと、「リンゴの森の子猫たち」(飯島真理)、「アリスの部屋」(中村由真)、「Aperitif」(本田美奈子)、「Summer Beach」(岡田有希子)、「BOYのテーマ」(菊池桃子)、「色・ホワイトブレンド」(中山美穂)、「吐息でネット」(南野陽子)とかかな。あと、まりやかEPOユーミンが書いてるやつは、例外なく全部好きです。いまね、いろいろ羅列しようと努力してるんですけど、思い出そうとすればするほど脳がギシギシ軋むんですよ。こういうのは、ぽっと出てくるのを待つ方がいいんですかね。


まったく関係のない追記
映画 皇帝ペンギン http://www.gaga.ne.jp/emperor-penguin/
ホアァーーウボァーーー!!『白くまになりたかった子ども』といい、お前ら*1はおれを萌え殺す気か、ウワァァン!!ああ愛しいよ恋しいよ皇帝ペンギン!!


*1:でも両者に繋がりはないと思う、たぶん。