終わらない歌

skb_mate022005-08-12

注目の映画 リンダリンダリンダ http://www.LINDA3.com/
女子高生がブルーハーツ。ボーカルは韓国からの留学生!?


スウィングガールズの数倍オタくさい企画だねえ。
来週、テアトル梅田で観てきまーす。


先週録っておいた『危いことなら銭になる』を観る。わたしが敬愛する中平康の大傑作。なんなら最高傑作と言い切ってしまいたいところだが、すべての作品を観ているわけではないので。同じ年に日活へ入社した鈴木清順と、その黄金時代を築いた偉大な存在であるにもかかわらず、いまだふさわしい評価を与えられていない不運の天才である。というのは、映画好きのあいだでも、もっぱら『狂った果実』で裕次郎をブレイクに導いた映画監督、としか認知されていないのだ。そして両者共に、その突き抜け過ぎた感覚や演出が、日活のえらいひとたちの反感を買い、会社から冷遇(のちに解雇)されるという皮肉な命運に見舞われている。話を戻すと、宍戸錠長門裕之浅丘ルリ子といったスターたちを使った本作は、メッセージ性どころか、物語すら<どーでもよくね?>といった勢いで、キャラ立ちし過ぎなキャラたちが、フレーム狭しと暴れ回るスラップスティック・コメディ。ていうか、犯罪ものであるにもかかわらず、ドスの効いた悪役がまるでおらず、ダイアログがスピーディかついちいち小洒落ていて、「くうっ」と声をあげてしまうほどカッコいい。もちろん、ガゼットやロケーションも小洒落まくっている。バンカラ気質をあざ笑うかのようなハイカラ気質に満ち溢れている、と言って差し支えないだろう。とにかく、そのすべてが日本映画の伝統である<寡黙で冷徹なヒーロー>ものとはほど遠い。だが作品によっては、長回しや内面描写を多用し、ある意味観客の倦怠感を煽るような演出も駆使してみせるのである。ここまで読んで、なんとなく『ルパン三世』を連想された方、あなたはとてもいい勘をされています。というのは、脚本を担当した山崎忠昭が、アニメ版ルパン三世の脚本をいくつか書いているのです。ちなみに前述の鈴木清順も、のちに『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』を監督しています。