百合の花粉は落ちにくい

skb_mate022006-07-27

1. チンタラ読み進めていた『秘密の花園』(三浦しをん)をようやく読了。あとがきで『櫻の園』(吉田秋生)や『blue』(魚喃キリコ)に敬意を表しつつ書いたとあるけれども、まさに「あの」世界だなと。個人的に付け加えさせていただくと、『冬虫夏草』(おかざき真理)や「女生徒」(太宰治)あたりも入ってますね。どこかに『麦の海に沈む果実』(恩田陸)ぽいと書いてあったけれど、ハコ的にそれもわかる気がします。それだけに、これを誰かが漫画化してくれんもんかなと思ったり。同じ女子校ものであるマリみての対極にあるような内容だけれど、目に見える世界を拒絶する感覚、それは自己愛の果ての自己嫌悪と合わせ鏡なわけですが、往年の少女小説にはそれがずっと通奏低音として流れていたわけで。ゆえに両性具有的だったり、美しいものや異形のものに執着したり、欠損した自己を恋愛対象に見い出したりするのかなと勝手に考えてるんですけど。男性型の自己陶酔って、たいてい無反省だったりするから(根拠がないゆえに、揺るぎない自信を持ってる人が多かったり)、なかなかこういう感じは伝わりにくいのかなぁと思ったりしました。つまり男性は、恋愛を介さずして自分に酔えちゃうんですね。まぁ、思い込みが強いという点では同じなんでしょうけども。って、なんかすごく乱暴な二元論になってますね。とか書いておきながらそんなことはわりとどうでもよくて、那由多への想いを秘める翠に脳天ブチヌキで萌え。翠視点のエピソードが、3部構成中3番目なのも『DESIRE』におけるマルチナ編ぽくて良かったです。
青空文庫「女生徒」(太宰治
http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/card275.html


2. アニ横とアリアとスクランの予約録画に失敗。スクランはともかく、アニ横とアリアを飛ばすなんてありえない。それだけ疲れてるってことなんでしょうか。そんなこと言いつつ、睡眠時間を削ってこんな日記書いてるし。まったく困ったちゃんですね。そんなこととは無関係に、ようやく関西での放送が始まった『無敵看板娘』、第1話をみた限りではかなりいい感じでした。


3. まんがくらぶオリジナルで連載されている『東京眼鏡』(あらい・まりこ)、これけっこうお気に入りの漫画なんですが、さいきんやっと本人の運営するサイトがあることに気付いた。過去の作品がいろいろアップされていて、かなり楽しめます。素で声出して笑っちまいました。なんとなく、後藤邑子が自身のサイトで公開している漫画のノリに似ている気がします。ぜひに紙デバイスでまとまった作品を読みたいのですが、作者さんの本業はOLで、同人活動などもしていないっぽいし、とりあえず単行本化されるのを根気よく待つしかないみたい。
あとりえナスコ http://uga.fc2web.com/
後藤邑子オフィシャルHP http://homepage3.nifty.com/gotu_web/


4. 更新を楽しみにしているWEB漫画サイト「二人の保管庫」、しばらく鬱展開が続いていてアレがナニだったんですが、夢オチにグッとくるシーンをもってきてくれてアレがナニ(もういいって)。これじゃなんのことだかさっぱりわかりませんね。
二人の保管庫 http://hutarinohokanko.hp.infoseek.co.jp/