It’s Only the Fairy Tale

skb_mate022006-10-22

いつみても波瀾万丈』という番組が荒俣宏を取り上げるとの情報をミニハンド氏から得たため、マイメロの新EDが終わるやいなやチャンネルを替えてみた。じつにおもしろい人なんですけど、とくに奇人だとも思わないなぁ。わりとこういうタイプの人って周りに多いし。澁澤龍彦寺山修司がいかにもディレッタントというイメージを抱かれているのに対して、荒俣宏がいかにもなマニア的に捉えられるのは、そのステレオタイプなオタっぽい風貌に因るのだろうなぁと改めて思った。イギリスやアイルランドファンタジー小説の翻訳家としてという、80年代後期に学生生活を送った人の典型である出会い方をしたためか、なんとなくその名前に優美な印象をもっていたのだけれど、映画『帝都物語』のヒットで露出するようになった彼をみたとき、軽くショックを受けたのは拭いようのない事実だし(笑い)。それはまぁ置いといて、番組中もっとも印象的だったのが「どんなことでも楽しんでしまう天才」との自己評で、反射的にグランマの「なんでも楽しんでしまえれば、数いるウンディーネの中の一番星になれる」という台詞を思い出しつつ、「そんなの誰でもわかってる」という突っ込みを勝手に想定して「あまりにも有名すぎる作品は、そのタイトルから連想されるイメージを内容そのものとして知っている気になることがある」という久美沙織の文を辺句にしたりと、なんだかちょっとした感慨にふけってみたわけですが。とにかく、好きなことを突き詰めたり好きなものを蒐集したりするためには、いかにして一次的欲求と折り合うかという問題と合わせ鏡だよなという認識を新たにし、誰でもそうだよなという安心感と苦笑いを獲得した1時間でありました。