二人だけの音楽会

skb_mate022007-03-16

ローゼンの連載再開はまだなんでしょうか。このまま打ち切りとか最悪なんだけど。


1. こないだ深夜の音楽番組で、中村中が『「のうぜんかつら」(安藤ゆうこりん)は「海を見ていた午後」(ユーミン)へのアンサーソングだと思う』と指摘、歌詞やフレーズの相似について実演しつつ解説しているのをみて「なるほど、言われてみれば」と納得。中村中のDJプレイを聴いてみたいな、と思いました。で、考えてみれば中村中と安藤ゆうこりんってどちらもエイベックス所属のレーベルメイトなんですよねぇ。面識はないみたいだったけど。双方ともにエイベックスのパブリックイメージから浮きまくっているつながりで、一緒になにかやってくれたらいいなと。そこに伴都美子も絡んでくれたら言うことなしなんですけどねー。


2. 『沙羅は和子の名を呼ぶ』に続き、『推定少女』(桜庭一樹)、同じく桜庭一樹の『GOSICK』シリーズを読み中。『沙羅は〜』のほうは、表題作ももちろんよかったんですけど(並行世界の姉妹ものですよ!やばいって!)、ふたご姉妹の話もかなり強烈にきました。『推定少女』の内容はもう『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』とほぼ同じなんだけれど、前者の主人公であるカナと白雪の絆の強さは、もう百合と呼んで差し支えないでしょう。後者では、主人公のなぎさになつく藻屑の想いが宙ぶらりんになったまま、最悪の別れが訪れてしまうのですが。いずれも退屈きわまりない地方都市に住む少女が通過儀礼を経て「夢見る少女じゃいられな」くなっていくさまが描かれているという点で、『シムーン』にハマった自分の琴線に触れないはずがない、というかんじでしょうか。その手のお話で少年メインのものは、それこそ星の数ほどあるんでしょうけども、少女メインのもの、それも恋愛をまったく絡めないものというのはあまり見ないような気がします。友情エンド=バッドエンド、みたいな。で、じつは『GOSICK』シリーズもふたりの少女が主人公になるはずだったのだけれど、編集部の意向で少年と少女のコンビになった経緯があるそうです。あー、そっちも読んでみたいっていうか、ニョタ百合の二次創作でも書いてみようかな(あほ)。


3. ていうか書いてて思い出したんだけど、「30代、既婚、子持ちの「勝ち犬」小夜子と、独身、子なしの「負け犬」葵。性格も生活環境も全く違う二人の女性の友情は成立するのか!?」などという(もちろん著者の意図するところではない)俗物丸出しの煽りでベストセラーになり、さらには直木賞を受賞した『対岸の彼女』(角田光代)という小説があるのですが、これがまさに前述の友情エンドをトゥルーエンドと捉えてみてはどうよという良作なんですね。「けれど私は思うのだ。あのころのような、全身で信じられる女友達を必要なのは、大人になった今なのに、と」(著者コメント)。作中、「負け犬」の葵が女子高に通っていた頃のエピソードが出てきます。彼女はそこで魚子という得難い親友とめぐりあい、先頃映画化された『渋谷区円山町』(おかざき真里)における糸井と有吉のような時間を過ごし(ふたりでプチ家出するものの、お金がないのでラブホテルに泊る)、固い絆を結ぶのです。いうなれば、なぎさとほのかです(我田引水)。さんざん美化されてきた感のある男の友情にたいして、これまでともすれば「薄っぺらい」と揶揄されることの多かった女の友情というものに、だんだんスポットが当たってきているような気がしてなりません。や、ごめんなさい。だったらいいなぁを恣意的に歪曲しました。


4. ちょこっとイイブック 第6回 女同士のラブホテル
http://journal.mycom.co.jp/column/ebook/006/
対岸の彼女』書評でいちばんウケたのがこれ。


5. 女性の同胞意識 ギャスケルが短編小説に描いた独身の女性たち
http://www.ube-k.ac.jp/~yatsugi/ff.pdf
エリザベス・ギャスケルは150年前に『負け犬の遠吠え』を書いていた。