問題のない私たち

パノラマデリュージョン 2 (アフタヌーンKC)

パノラマデリュージョン 2 (アフタヌーンKC)

1. 『パノラマデリュージョン』第2巻(小原愼司)を読む。お話の方は奥瀬サキの『低俗霊狩り』を「モルダー、あなた疲れてるのよ」的にしたようなかんじなのだけれど、著者のレトロ趣味とアフタヌーン独特のカラー、たとえば小川幸辰の『エンブリヲ』みたいな有機的なグロさがほどよくブレンドされていておもしろい。しかし、なんといってもあっけらかんとした美夕といった印象の妖艶な美少女リン子と、彼女の妹ミミ子との「貧乏姉妹物語」ぶりがおそろしいほどに萌えます。しかもリン子最大の敵は、ショートカットが眩しい双子の姉ラン子。おそらくご本人は萌え話を描いている気はさらさらないのでしょうけれども、ここにものすごい勢いで萌えている腐った読者が一匹いますよと(笑い)。でもって、マリみてフレーム オブ マインド」と「薔薇の花かんむり」を立て続けに読む。今野先生、確実に百合萌えオタへターゲットを絞ってきてますね。スールのみならず、実姉妹話の連チャンに膝からくず折れそうになったですよ。そして、瞳子おめでとう。ええ、ロザリオ授受のシーンではウルっとしましたよ、言うまでもなく。


映画「問題のない私たち」 [DVD]

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2. 録画しておいた映画『問題のない私たち』を視聴。前に小説版とコミック版の感想を軽く書いたことがある、女子校を舞台にしたいじめを扱ったもの。ふつう女の子同士のいじめ問題といえば必ず男関係が絡んでくるものですが、この作品に関してはまったくありません。それだけに、はたから見れば瑣末なことで悩み苦しみ傷つく少女たちは甘ったれで、時にこっけいに見えるかもしれないですね。「腕に自信のある」男性などからすれば、とくに。もちろん我々にとっては対岸の火事でしかないし、家族でもなければ介入できるわけでもないんですが。そういえば、ゆうべNHK教育の「フランス語会話」でジェーン・バーキンのインタビューが流れていて、「問題意識とは裏腹に、まずは自分の生活が最優先されなければならない皮肉な現実」についての歌を書いた、というようなことを言っていました。だもんで当事者か、あるいはそれらの問題を乗り越えた少女たちが築く友情と絆に萌えるというような種類の人がひっそりと楽しめばいいんじゃないかと思います。ちなみに作品紹介のテロップによれば、「いじめを通して少女たちの心の弱さや危うさを描き出している」とのこと。原作者が、当時現役女子中学生だったというのも大きいんじゃないかな。出演者とかに関しては、もはやわたしが書くまでもないでしょう。