あたしにあんたを置いていけるわけがないでしょう?


1. ゆうべの夜11時頃、ミニハンドさんより「いまからオレンジレコーズの10周年記念イベントがあるのだけどいかがか?」なるお誘いをいただくも、箱は梅田のシャングリラ。そのときちょうどミナミに出てきたばかりなうえ、ありえなく疲れ果てていることもあり、後ろ髪を引かれつつ見送り。とりあえず楽しみにしていたドラマ『ハチワンダイバー』を視聴しようとテレビをつけるが、一向に始まる気配がない。おかしいなと思って番組表を確認してみたところ、なんと11時10分から。てっきり1時10分からだと思い込んでいたという・・・あほですね、わたし orz 意気消沈しながらも、先週分を録画したまま未消化の『ヴァンパイア騎士』『To LOVEる』『xxxHOLiC・継』を視聴。なんというか、こう、もひとつ釈然としない気分です・・・自分が悪いんですけど。


2. 『クリスマスに少女は還る』(キャロル・オコンネル)読了。これはきた。きまくりでした。こんなに素晴らしい本を、ミステリ読みにだけ読ませていてはイカンですよ。全百合好き必読。なんて、わたしが煽ったところでたいして説得力はないでしょうから、ネタバレにならない範囲でもっとも百合魂を鷲掴みされる箇所を抜き書きしてしまいましょう。ここで萌えなきゃ、たぶん読むだけ時間の無駄でしょうから。

「パーカを着て、サディー」グウェンは身をよじってダウンパーカを脱ごうとしたが、ひどく弱っているせいで、袖から腕を抜くことができなかった。「早くこれを着てったら! 助けが見つかるまで、長いこと歩かなきゃならないかもしれないんだから。どっちかひとりが、ここを抜け出せば――」 サディーは、パーカをもとどおり着せかけ、ジッパーをあげると、優しくグウェンを叱った。「あんたはひどく具合が悪いんだからね」 「あたしのことは気にしないで、サディー。チャンスがあったら、絶対逃がしちゃだめよ」お願い、あたしを置いていかないで。「あの男は銃を持ってるのよ。ナイフじゃとても勝てないわ」あんたに置いていかれたら、あたしはきっと死ぬ。「大人の男と闘うなんて無理。逃げなきゃだめよ」行かないで。 ひとりの子供がもうひとりを抱きしめた。腕がからみあい、花びらのようにやわらかな頬と頬とがくっついた。あたりはしんとしていた。やがてサディーがささやいた。「あたしにあんたを置いていけるわけがないでしょう?」

15年前、スーザンの遺体が発見されたときの状況描写などにみられる詩的なビジュアルイメージ、それらを保ちつつ大量の登場人物を捌き、なおかつ視点をいれかえても読者を混乱させない構成の巧さ。それぞれのキャラクターが、贖罪、赦し、信仰心、悪意、思い遣りといった、さまざまなテーマを担っています。小児性愛者による連続殺人を扱った作品でありつつ、『隣の家の少女』や『ブラッドハーレーの馬車』に感じたような後味の悪さはなく、むしろ澄み切ったなかに一抹の悲哀を漂わせる青空をイメージさせる結末ではないでしょうか。ていうか、たったいまわかったんですけど、「es! 百合書店 - 皆様おすすめ(小説支店)」にても紹介されておりました。その情報を提供されたことりこさんという方とは、かなり趣味が合いそうな気がします。



Flickr : bluecut's photostream
3. 「Hugo Strikes Back! - bluecut」にて拾った画像。ドールのように見えるモデルといい、色味といい、粒子の粗さといい、すべてが完璧。あまりにもときめきすぎて、心の臓がキューッと痛くなる勢い。