美少女の成分

skb_mate022008-05-11

1. 予告通り『青空感傷ツアー』(柴崎友香)の百合的に萌える箇所を抜き書き。うん、『主題歌』も買ってしまおう。そうしよう。

珊瑚礁にいたグラスボートが、ゆっくりと向きを変えてこちらに向かおうとした。膝を突き合わせて座っている音生の髪が、風になびいてきれいだった。「芽衣ちゃん」音生がわたしの名前を呼んで、わたしは髪から視線を戻した。「なに?」「わたし、ほんまはけっこう楽しかった、トルコ。芽衣ちゃんとバスで喧嘩したとき、夕陽が見えたやん? どこやったっけ? 岩が並んでたとこ。あの景色、泣きそうにきれいやった。もう一回、芽衣ちゃんとトルコのおんなじコースを回ってもいいと思ってるで」 世界一きれいな珊瑚礁も霞むかわいい微笑みを浮かべて、音生は告げた。わたしは、長いあいだ片思いを続けていた相手に突然好きだと言われたみたいな、今までの人生でそんなことは一度もなかったけれど、きっとこれがそんな気持ちなんだと思った。 「音生、ほんま、かわいいなあ。音生が笑ったら、周りに真っ赤なハイビスカスがいっぱい生えてきそうやわ」「なんなん? その喩え。気持ち悪いわ」 音生は眉をひそめてわたしを睨んでから、沖のほうへ目を移して、まあええけど、と言って笑った。音生が見つめるその先から、グラスボートが起こすうねりがやってきて、小さなゴムボートはひっくり返りそうに揺れて、わたしたちは甲高く叫んで笑いあった。

ミニハンドさんとのメッセでも話題になったんですけど、なんとなくよしもとばななの『TUGUMI』を思い出したのですよ。考えてみれば、桜庭一樹の書く片田舎の海辺の町が舞台の少女ふたりものって、案外ゼロ年代の『TUGUMI』みたいに位置づけられるかもしれないぞと。病弱な美少女ながら、とんでもなく口の悪いつぐみは、物語の語り手であるまりあの従姉妹であり幼馴染。翻弄されつつ、そんな彼女をいとしく思うまりあの気持ちは、恋愛感情とは呼べないにせよ(つぐみは恭一という男の子に恋をするし)、その感情や絆に萌えずしてなにが百合オタか、と思うわけです。そんなわけで、きちんと読み直すかビデオで観直したいなと。激しく積んでますが・・・。


2. 同じくミニハンドさんとメッセしてて思い出した、お気に入りのイラストサイトなどをいくつか。


小鳥館 ぷちぱじゃま『パペットプリンセス』の原画を担当された絵師さんのサイト。

2/2 女教師×女生徒もののオリジナル小説『ビタースイート』は必読。激萌え。

遊閑地 なのはとかマリみてとか。独特のゴス風味がかっこいいです。

難破船のネコ ローゼンとかマリみてとか。蒼翠かわいすぎて卒倒する。

panda's vision ひぐらし中心。かわゆいのはもちろん、淡い色合いがステキ。

少女ブラン なのフェイ中心。ここのフェイトさんがいちばん萌えるかもしれない。