はじめての 痛み

1. 長かったボーイフレンズ・デッドのレコーディングがようやく終了。5曲入りのCDができました。今回はzoeさんが全面協力してくださったこともありまして、けっこういいものが作れたんじゃないかなと思います。「BAZOOKA DISCO #09」にて、みなさんのお手許にお届けできるかと。2日に渡ったトリートメントとミックス、マスタリング作業が終了してから「BAZOOKA DISCO #08」へ向かったのですが、寝不足と疲労がマックスだったようで、貧血を起こしてダウン。周りの方々にご心配やご迷惑をおかけしつつ、2時間ほどで辞してガーデンシネマへ、『水の中のつぼみ』を観に。百合的にどうこうを別にしても、なお余りあるセンシティブな少女の生態と心理描写の秀逸さに脳天直撃というかんじ。もちろんDVDのリリースがあれば、もちろん買います。一部では「新たな『ヴァージン・スーサイズ』」と評されていたけれども、これ違うよ、どう観ても『なまいきシャルロット』だよ、それも大人や男性視点といった不純物を取り除くべく丹念に蒸留された、少女の少女による少女のための少女映画として、このさき何十年語り継がれる傑作でしょうね。なんかもう「語り継がれるべき」みたいな歯切れの悪い物言いをする気になれないほど、あまりにも完璧な世界がスクリーン上に存在していた、そしてわたしはそれを見届けたのだという感慨が、いまだ新鮮さを全く損なうことなく押し寄せてくるほど。『なまいきシャルロット』を連想したのにはもうひとつわけがあって、美少女フロリアーヌに恋焦がれるマリーを演じたポーリーヌ・アキュアールがですね、なんかすごくシャルロットを彷彿とさせる雰囲気の持ち主なんですよ。もうこのうえなく愛らしいんです。なんでもパリのルクセンブルグ公園で偶然スカウトされた新人とのことで、シャルロットとはその注目度において雲泥の差なのだけれど、アルマ監督にとって、今後最大の拾い物になるんじゃないでしょうか。さておき、かつて日本の少女漫画は、世界最高レベルに鋭い少女的世界観を持ちえていたと思うのですが、もはやその数は絶滅を危惧すべきまでに激減してしまった。でも、これからは世界中のあちこちでこういう剃刀のごとき切れ味をもった少女作品が生み出され、さまざまなルートでわたしたちのもとに届くのだろうと思います。
映画「水の中のつぼみ」/オフィシャルサイト



2. 海外ドラマ『ローマ』第9話より、セルウィリアとオクタヴィアが繰り広げたうたかたの恋を。おもしろそうなんでDVDを借りてこようかと思っているのですが、このドラマってどこまで史実に基づいているんだろう。塩野七生あたりが感想を書いていたら読んでみようかな。