バック・トゥ・スクール 2008 pt.2

奴股:今、あと毎日ツバサクロニクル見てる。あれも面白いなあ。むかし松本零士も自分のキャラ総出演の漫画書いてたけど、どちらかというとファンサービスみたいな感じだった。けどツバサのほうはストーリーが生きていて、「元ネタ」を知らなくても楽しめるように思う。

chibinova:うーん・・・。

奴股:あんまり好きじゃない? シャオランが出てくるから? ああ、女の子がサクラ一人だからか。

chibinova:そうそう。チュニャンあたりが絡んでくるといいねんけど、なかなかね・・・。

奴股:次々に舞台が変わるからなあ。それほど深い関係にならないよね。ツバサはどっちかっていうと少年漫画やな。格闘もんというか。

chibinova:マガジンだしね。まぁ、ファイ黒はそれなりに需要あるみたいだけど。

奴股:なんか『地獄少女』またやるそうやん。あ、それでおもいだした。もういっこみてるねん。7歳の女の子を高校生の何でも屋みたいのがかくまうアニメ。

chibinova:ああ、『紅』な。第1話以降みてないけど、けっこうフェミっぽい内容らしいね。『地獄少女』って、またあいちん復活すんのかな。あんな終わりかたしたのに。

奴股:なんか高校生の女の子があいに出会って、みたいな話になるらしい。

chibinova:あれかな、親父とふたりぐらししてた子。

奴股:いや、ゆずきなんて名前じゃなかったやろ。このみやったと思うが。例によってきくりも出てる。

chibinova:新キャラにショタがいてるな。

奴股:ほんまや。そんなのもおるな。幅広くカバーしてんねやろ。百合もヘテロも。

chibinova:けっこうコミカライズ版のコミックスも売れてるらしいし。

地獄少女(8) (講談社コミックスなかよし)

地獄少女(8) (講談社コミックスなかよし)

奴股:そういやこないだ聖書の地獄について調べててさ。ゲヘナっていうんだけど。ゲー・ヒンノム(ヒンノム谷)がなまってできた言葉らしい。で、エルサレム南部にあるヒンノム谷でなにをしていたかというと、子どもを焼き殺していけにえに捧げていたそうだ。その習慣はやがて廃れ、羊や牛、鳩を焼き尽くすようになった。けど、子どもを焼き殺した忌まわしい記憶から、ゲー・ヒンノムはゲヘナとして人々のイメージに焼きついた、と。だから日本の地獄と「火」という部分は似ていても、日本の地獄は永遠なのに対して、ゲヘナは焼き尽くす、つまり消滅という違いがあるようにも思う。そもそも一神教というのもデフォルトで成立したものじゃないよね。カナンの諸宗教やメソポタミアの諸宗教、エジプトの宗教から強い影響受けまくってるからな。そうでないと「わたし以外神とするな」なんて戒めもいちいち成立しないわけで。

chibinova:なるほどなぁ。アブラハムもイサクを焼こうとしたもんな。

奴股:そう、あれが研究としては、子どもを焼き殺す儀式に批判的な集団から生じた伝承ではないか、と。ただ当時は今と倫理とか世界観がまったく違うので、批判をするにせよ、子どもを焼き殺すことは今で言う「残酷」とは違って受け止められていたようだ。批判するにせよ。

chibinova:まぁ、紀元前なんていったら女子供に人権なんてなかっただろうし。

奴股:だからまだまだ男根主義が色濃いとはいえ、新約でイエスが女と話すのは当時としては画期的だった、ということだ。

chibinova:マグダラのマリアなんて娼婦だったもんね。

奴股:そうそう。ただ、いきなりイエスから刷新されたというより、さっきもいったように、一神教的絶対的男性至上主義にも、最初からほころびがあったのだろう。神と訳されるエルだってエルって神の名前だし。しかもしょっちゅうエロヒームって複数形で出てくるし。神には名前などないとかいうけど、YHWHもけっきょくは名前だし。

chibinova:もともとアニミズムシャーマニズムが根幹にあった日本に、かなかな根付かなかったのもうなづける話やな。って、かなかなってなんやねん、我ながら(笑い)。

奴股:そう。歴史のなかで「純化」され過ぎたんや。かなかな・・・・もう秋だねえ。そういや『ひぐらしのなく頃に』なんて作品もあったなあ。けっきょくまったく見てないけど。

chibinova:『地獄少女』のHPみてるんやけど、地獄に流れていった閻魔あいが、人の世界に戻ってくるって書いてあるわ。どういういきさつで戻ってくるんやろ。

奴股:いちおうちゃんと描いてくれるやろね。そうでないとファンが黙ってないやろ。宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長みたいになったらみんな怒るで。沖田艦長は「地球か・・・なにもかもみな、懐かしい」と、最終回で涙を流しながら死んだ・・・はずだった。が、次回作で「あれは仮死状態だった」と見事艦長復帰。あれはまいったさすがに。幼稚園児ながら。幼稚園児でも「うそ」って思ったもん。あれにくらべればな、ガンダムはまだ器用に続編とか作りよるわ。宇宙戦艦ヤマト完結編なんて、ヤマト自体が特攻して爆発したのに、なにごともなかったかのようにみんな生きて再登場やからな。ちなみに一作目だけに限定するなら、よい作品だとは思う。沖田艦長復活なしね。そういやもう誰も『宇宙戦艦ヤマト』なんて話題にしないな。菊池桃子とかがアニヲタとしてバラエティに出てたころは、よく懐かしのアニメで紹介されたもんだが。当時の腐女子の、数少ない素材だったのだろう。

chibinova:西村知美のオタぶりとか、みてて楽しかったなぁ。ゴッドマーズなんか、腐女子的にすごく盛り上がったらしいね。

奴股:見てた見てた。なんか敵の宇宙人の女性を保護してさ。ラブロマンスになる話やった。宇宙戦艦ヤマトに話を戻すと、プロデューサーと松本零士とが裁判になってさ。どちらに著作権があるかで。んで、松本零士が負けた。今だれやっけ、歌手と松本零士がまた裁判になってるやろ。「どんなときも〜」とか歌ってた。「またかよ」って思ったね。

chibinova:ああ、槙原敬之ね。

奴股:そうそう。あれで「盗作」とか言われたらかなわんな。ヤマトもさっき地獄少女で言ってたコミカライズがあってさ。あれを松本零士が「原作」って主張するのな。でも実際には同時期やから。

chibinova:昔ね、ちょっと読んだことあんの、松本零士。もうふたことめには「男とは」つうのがしんどくてさぁ、すごく苦手だったんだけど、メッサーシュミット乗りがレヴィ、だっけ? まぁとにかくレーダーに名前付けて、相棒って呼んで大事にしてる短篇みたいのがあってね。計器萌えとしては、あれはもうたまらんかったけども。

奴股:『わが青春のアルカディア』やな。僕も大好きで、コミック今でもぼろぼろのやつ大切にしてる。武器の描写に関しては、あのフェティッシュな描き方は、むしろ武器や機械が女性キャラといってもいい。昔NHKの特集ドラマで『最後の銃弾』ってのがあったけど、あれなんかは松本零士の発展的解釈で、とても感じがよかった。

chibinova:なんか『キャンディキャンディ』でも同じような泥試合やってたな。

奴股:あったなあ。やっぱり莫大なお金と、プライドが絡むからな。おれらには想像もつかない世界。ほんで藤さんが言ってたやん、漫画家ってめっちゃ労働条件悪いんやろ。

chibinova:アニメーターなんかも、手塚治虫が激安で仕事請けて以来、労働条件最悪になったって伝説があるしな。

奴股:そうそう。宮崎駿が以前激烈に手塚批判してたもんな。だから松本も執念なんかもしれん。

chibinova:空調の行き届いた快適なオフィスでエコ語るな、お前は動物愛護の集まりに毛皮着てくるエリザベス・テーラーかって批判されてたパヤオな。

奴股:ははは(以下延々と続くため、このあたりでお開きにしまっす)