白薔薇

徒然なるまま。さっき「るのーぶろぐ」を読んでおったところ、8月1日の記事が「きょうはリディア・リトヴァクの命日」という内容でして。「ラーゼフォンでTERRAの航空母艦の名前になってた人」という解説が非常にらしいなぁというかんじですが、ではいったいどういう人なのか、ウィキさんにひとくさり語っていただきましょう。

リディア・ウラジミーロヴナ・リトヴァクは、ソ連労農赤軍航空隊(この当時、まだ空軍は独立していなかった)の女性エース・パイロット。公認撃墜機数は12機(未確認3機)。女性エース・パイロットは他に、同じ労農赤軍航空隊のエカテリーナ・ブダノワ(11機撃墜)、オルガ・ヤムシュコワ(17機撃墜)がいる。乗機のLa-5のコクピット両側に愛称の「リーリャ」(百合)に因んだ白百合を描き込んでおり、それを「白い薔薇」と誤認したドイツ軍から「スターリングラード白薔薇」と呼ばれた。最後の出撃となった1943年8月1日の空中戦では、Bf109戦闘機8機に包囲されて集中攻撃を受け、この内2機を撃墜するも機銃弾を使い果たして力尽き、未帰還となった。この日までに168回出撃し、うち空中戦89回、撃墜11機、協同撃墜3機を記録していた。1979年ドミトリェフカ村付近の草原で遊んでいた子供たちによってリディアの乗機の残骸と、その傍に埋葬されていた彼女の遺体が発見され、改めて戦死が確認された。そして1990年5月5日、ソ連ゴルバチョフ大統領により国葬が執り行われ、ソ連邦英雄の称号を贈られた。
Wikipedia - リディア・リトヴァク

YouTube - The Night Witches - As Bruxas da Noite YouTubeの動画も貼られておったので、ついでに。
まったく百合だの薔薇だの、これまた特定の人種から熱狂的に崇拝されそうな、輝かしい経歴の持ち主ですね。イギリスやソ連は早くから女性兵を採用していたため、この手のエピソードにはこと欠かないようで、1956年には『女狙撃兵 マリュートカ』なる映画もつくられています。1956年といえばフルシチョフスターリン批判から冷戦の雪どけが始まった年ですが、その時点ですでに「敵兵と恋仲になる女性兵士」を主人公とする映画が撮られていたとは驚きです。恋愛映画として見てもマリアンジェラ・メラートとジャンカルロ・ジャンニーニが主演した『流されて』を連想させますが、その20年も前の作品なのですから。ついでにその頃、すなわちスターリン時代最後期のモスクワで生きる少女たちの群像劇、百合的にも激しくよく萌える燃料である『それぞれの少女時代』(リュドミラ・ウリツカヤ)を「2008-06-11 少女時代」にてご紹介しておりますので、参考まで。

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白薔薇つながり そりゃもちろん聖さm・・・いやいや、偶然にも「クララの森・少女愛惜」今日付けの記事がですね、ミュンヘン大学の反ナチグループ「白バラ」に籍をおいていた悲劇のヒロイン、ゾフィー・ショルについて書かれたものだったので、ちと驚いたです。わたしが白バラの存在を知ったのは、他にも大勢おられるであろう、『花と狼の帝国』(藤田貴美山下友美)のモデルになっていたためなんですけれども、「2007-08-31 笑顔の色は虹の色」にてさらっと触れました通り、けっきょく完結巻となった同人誌はいまだ未読だったりで、ヌルさを隠し切れないって、それはさておき。ひとが持つ最大の業のひとつである独善、それが周囲を蝕み始める時、また白バラのような抗体もうまれてくる。その強さ、美しさを謳い上げるはずの作品が、また他の独善によって蝕まれてしまったというのは、じつに皮肉な話です*1。完結巻が読めないことより何より、その事実が哀しい、というか虚しいことこのうえない。


女性兵士つながり 「2006-03-24 Last Kiss」にてご紹介した「モスクワ第9士官候補生女子寄宿学校」の画像。いやー、これは何度みてもキますなー。リアルでガンスリ義体用宿舎をかいまみているような気分になります。


ロシアの女学生つながり 「English Russia - Russian School Graduation Day」に、ロシアのある女子校の卒業式のようすがアップされているのですが、衣装がコスプレにしかみえません(笑い)。映画『エコール』のラストシーンもそうだったけど、卒業式で噴水に飛び込むのはお約束なのだろうか。