スタートライン

3回目の『没落貴族』、無事に盛況のうち終えることができました。お越し下さったみなさま、スタッフのみなさま、ありがとうございました。また構ってやってください。


ドロップ [DVD]

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1. レンタルで視聴。原作はケータイ小説ソフトバンクパブリッシングにて単行本化済み)なんですけど、売春も難病も麻薬も出てこない、まっとうな少女小説。というか、別マやデラマあたりに載っていそうな、男女の恋愛を絡ませつつ女女の友情をメインにした読みきり作品っぽい趣きが強いかな。あらすじをかいつまむと、「好きな人ができた」と彼氏に振られた女子高生の真帆が、みさきという新しい彼女の存在を突き止めてストーキングするうち、可愛いけれど淋しげなみさきのたたずまいに参ってしまい、いつしかふたりには友情が芽生える、というもの。ほどなく真帆にも新しい彼氏ができるものの、親友のゆっこは独り身ゆえ真帆のことしか見ていないし、というか幼くして亡くなった双子の妹・まいこと『ふたり』ばりの姉妹愛を見せてくれるし、みさきはコロコロ彼氏が替わるものの、じつは誰のことも愛しておらず、その愛情は主に従姉妹の美優璃に向かっていたり、百合的にはかなりうまうま。とはいえ男子キャラも恋愛に絡んでくるので、それなりの百合フィルターを装備した方でないと、百合萌えは厳しいかもしれません。しかし、彼氏を奪った憎くてたまらないはずの女の子と友情を育むという、通常の恋愛ものならまずあり得ない展開が神過ぎると思うわけですが、いかがでしょう。原作者の夏澄さん自身、高校時代は恋愛よりも、友愛に重きをおいていたのではないかと推察されます。そのうち純百合小説を書いてくれるんじゃないかなぁと、密かに期待しているんですが。その原作、「ポケスペ小説大賞」というコンペで大賞を受賞したそうで、審査員を務めた川上純子さんのコメントがですね、またなんとも食指をそそらせよるのですよ。いわく、「真帆がみさきにひかれていく様子がこまやかに描かれ、二人をとても身近に感じました。女の子同士の友情は書きかたによっては甘すぎてしまうものですが、抑制のきいた筆致と丁寧な風景描写がまるで暖かい風に吹かれたような優しい気持ちにさせ、爽快な印象を残しました」。心理描写はもちろんのこと、各女子キャラがどう可愛いのかという描写に妙に力が入っていて、いずれにせよ、わたしの大好物であることにかわりなし、と。それも、主人公である真帆の口を借りて描かれるわけですから、じつにたまらんわけですよ。映像版のほうは、恋愛パートと友愛パートが半々ぐらいの比率になっていて、ちょっとがっかり。けど、リアルでも仲が良いという真帆役・黒川芽以と、ゆっこ役・岡本奈月の絡みが絶品だったですね。興味をおぼえられたかたは、とりあえずケータイ小説のほうから読んでみられてはいかがでしょう。



2. ミチコとハッチン 第11話「どしゃ降りのスタートライン」を視聴。つっ、つっ、つっ、ついにキター! キマシタワー、お姉さま! ダブル・ツンツンキャラが同時にデレやがった! リタにくっつき、サーカス団で雑用係として働くハッチン。しかしサーカス団には裏で子供を売り買いしているのではという疑惑があり、テレビレポーターのダニエラはスクープを当て込んで、強引な取材を始めるのであった。ミチコの口調や仕草を真似つつ、彼女への恋しさをつのらせるハッチン。ある雨の夜、番組を見たミチコがサーカスへやってくる。感動の再会・・・のはずが、素直になれず、口論をおっぱじめてしまうふたり。ぷりぷりと怒ったハッチンがテントへ戻ると、他の子供たちと共にトラックへ載せられる。そのトラックをパンクさせ、子供を救おうとするダニエラ。しかし麻酔銃で眠らされ、一行は気球で移動することに。自分の不器用さにイラつくミチコは、ハッチンが「優しくしてくれる素敵な人」というもうひとりのミチコの姿を目にし、激しい嫉妬にかられて気球を襲撃。ハッチンの胸倉をつかんで、「てめぇのミチコは、このあたしだけだ! よく憶えとけ!」と愛の告白(笑い)。だがやはり麻酔を撃ち込まれ、ロープにぶらさがったまま半分気を失う。放り出されたハッチンは気球がそばをかすめる灯台へ登り、その上から飛び移って悪ミチコと団長に蹴りを。ミチコをかごの中へ入れようとするものの、寝堕ち寸前のミチコは「なんとかなる」と答えるばかり。意を決したハッチンは、ミチコと手をつないだまま空中へダイブ。「ミチコは、わたしが守るんだ」。くぅ〜っ、たまんねーなおい!! もうラブラブじゃねーか! 翌朝ハッチンが目覚めたのは砂浜、隣にはミチコが。こっから先の会話はねぇ、もうただの痴話喧嘩・・・いや、喧嘩じゃないな、動物が甘噛みしあってじゃれてるようなかんじ? もう萌えすぎて、奇声を発しながらそこらじゅう飛び跳ねました。近所のみなさん、ご迷惑をおかけしてすみません。ていうか、『ミチコとハッチン』まじやばいわ。あらゆる符号がわたしの琴線をぶった切りまくり。女汁を煮しめたようなミチコと、潔癖な少女の象徴のごときハッチンというカップリングが、これほどまでにすさまじい破壊力を秘めていたとは。この先の展開が楽しみすぎる。