夜の湖みたいな瞳


YouTube - かりゆし58 / さよなら
1. ゆうべ、関西テレビで「音エモン」という番組を観るとはなしに見ていたら、Salyuが出てきたんでちょっと食いついてみたんですわ。や、最初「これってYUKI?」と思いましたけどね・・・髪型が似過ぎててわからんかった。そういや「From Salyu」先月14日の記事に、ナースのコスプレ写真が貼ってありますね・・・光速で保存しましたけども。さりゅかわいいよさりゅ。で、そのあとはなんか売り出し中の人らのPVがちらほら流れ出して。Salyuが引っ込んでから音を消していたので、映像だけ横目で見てたんですけど、そこに上記「かりゆし58 / さよなら」(LD&Kレーベル所属らしい)のPVが。思わず「ええっ?」って2度見しましたよ。セーラー服のおにゃのこふたりが、いちゃこらいちゃこらと悩ましいのう! ほんとにもう。曲自体は聴いていないので、ドラマパートの内容が歌詞にリンクしているのかどうかまったくわかりませんが、大学生ぐらいの女の子が、高校の卒業式の帰り道で交通事故にあって亡くなった親友との想い出の場所を辿りながら、幸福だった光景を追想するってな仕立てでした。もともと虎舞竜とか山崎まさよしあたりを好きなディレクターさんが、百合にハマってそれっぽい演出をしたのかな。



YouTube - baek ji young / sarang an he
2. 「さよなら」を観ていて思い出したのがこれ。韓国の女性歌手のPV。こちらは友情を通り越してガチです。しかも、徹底的に少女的な世界へこだわってます。観るたび脳内に変な汁が充満します。丼13杯はいけます。わたしが選べる立場にあるのなら、グラミー賞を一気に10個ぐらい進呈したいです。かように可愛いPVが他にあるのなら、ぜひとも教えていただきたいと思います。まだ関西では公開されていないけど、映画『ブリュレ』ってこんなかんじなんだろうか。だとしたら、萌え過ぎて生命維持に支障をきたしそうです。おそろしい。


3. ミクシィの百合関係コミュをいくつかまわり、トピックの記事を読んでみました。印象としては、まだまだ小さいとはいえ、百合市場も成熟期にはいりつつあるのかな、というかんじ。多様な趣味嗜好が入り乱れていて、これから成長してゆくためのエネルギーは充分にみちているような気がいたします。あいかわらず百合の定義について禅問答が繰り返されたりしていますけど、人間は「ここをこうすれば動きます」ってな機械ではないので、取捨選択を繰り返しつつ自分に合うものを探していくしかないですね。少なくとも、緩い空気感が好き、重厚で緻密な世界観が好き、あるいは繊細に感情の揺れ動くさまを描写しているものが好き、などの傾向は自分でもわかるわけじゃないですか。ある程度目が利いてくれば、自分に合うか合わないか、パッケージのかもしだす雰囲気だけでもなんとなくわかってくると思うし。そのための投資や労力が惜しいっていう人は・・・百合に限らず、なにもモノにならんでしょう。よっぽどの天才でない限り。

海ノ藻屑 - 「ミチコとハッチン」山本沙代監督インタビュー まとめ・要約簡易版

そんなことを考えていたところ、『ミチコとハッチン』の監督を務める山本沙代さんのインタビューをまとめた記事にぶつかりまして、「自分が理想とする百合ものとは、まさにこういったスタンスのもとに作られる作品だ」と確信するに至りました。『ミチコとハッチン』を百合ものとして視聴している人はほとんどいないでしょうし、そもそも作り手にそんな意識もないのでしょう。しかし山本監督は、『ミチコとハッチン』の見どころを「女性の実態を生々しく浮き彫りにしつつ、共感を得られるような本音の部分もしっかりと織り混ぜる。そのうえで、女性同士の友情とも恋愛ともつかない微妙な関係を描いていく」とインタビュー内で語っておられるのです。それらは「70年代の少女まんがが持っていた姿勢」とリンクするのではないか、とも。研究材料として『Lの世界』を観てみたところ、意外とハマってしまったというくだりも、もちろん見逃せません。わたしとしましては、それを百合視点で観る以上、女性というものをきちんと描いてあるか否か、そこをいちばん重要視します。とくに少女へ対する思い入れはもっとも強いので、優先順位はつねにトップです。それだけに、少女の姿を多面的に描き出すための世界作りを最重要課題とし、彼女らの関係を微細に追った作品である『シムーン』を、百合作品として「も」傑作だと称えてきたわけなんですねぇ。ちなみに、わたしがフィクションにこだわるのは、自分の如き矮小な意識の持ち主が少女の本質に迫るには、リアルはあまりにノイズが多すぎて、大事な部分を見極めきれなくなるからです。一消費者としては、「萌えさえすりゃ、その他のことなんて知るか」という乱暴な言い方もできなくはないですけど。というわけで、これからますます多くの百合作品が世に出され、ますます多くの人たちが、その美しさに耽るようになりますように。


今週のサウダージ・ブラジレイラ
Latina - 「ガル・コスタがはじめての同性愛経験の相手」と、マリーナ・リマが衝撃告白
ミチコとハッチン』はブラジルが舞台。つうことで、MPBの超大物ネタをひとついってみたいと思います。とはいえ、これって去年11月のニュースなんですが。なにやらせてもトロくてすみませんです、はい。えっと、ガル・コスタいうたら、カエターノ・ヴェローゾと『ドミンゴ』なる歴史的名盤を吹き込んだことだけでも、向こう200年は名前が残るであろうすごい歌手です。ニューウェイヴ経由ですと、デヴィッド・バーンが編集したMPBコンピレーション『ベレーザ・トロピカル』で聴いたことのあるかたもおられるかもしれませんね。かくいうわたしもそのクチなんですが。たしかアート・リンゼイガル・コスタと絡みがあったかと。