ことことかるてっと
- 作者: 楠田夏子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/03/12
- メディア: コミック
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秘密。それは友情のあかし。京都、西陣のはずれにある小倉大学女子寮・れんげ寮。好奇心旺盛で変わり者の3回生・難波。寮一の美人だが少し冷たい1回生・万城目。いつも笑顔で人当たりのよい1回生・茜。そして、ある秘密を抱えた1回生、蓮華。ただの寮生同士になるはずだったバラバラの4人がひょんなことから距離を縮めることになり…。季節うつろう京都の街ではじまる、乙女の四重奏―。(カバー裏より)
1. オクターヴ4巻・魔法使いの娘8巻・しゅごキャラ11巻・ローゼン3巻などと一緒に買ってきた一冊。帯に書かれた「少女漫画の歴史をぬりかえる驚異の新人、初単行本!」って煽りはダテじゃないと思います。いまどき少女漫画で真っ向から女子の友情を描くこと自体チャレンジャーだと思うけれど、すごいのはそこじゃなくて。女子寮4人ものといえば、少女漫画好きなら誰もが思い浮かべるあの不朽の名作、そうです、樹村みのりの『菜の花畑』シリーズに匹敵する出来栄えと言っていい。講談社の公式サイトで第1話が試し読みできるので、ぜひ目を通していただきたいです。今年はしょっぱなから鳥野しのの『オハナホロホロ』が飛び出しましたし、京都といえば木村紺の『からん』も目が離せない。『からん』は青年誌連載ですが、ユーザの増減とは無関係に進化を続ける少女漫画はやはり素晴らしいですね。あ、そういや『青い花』5巻の感想を書いてないな・・・持田あきの『おもいで金平糖』もレビューしようと思ってそのままだ(汗)。
2. 日本近代文学会東海支部シンポジウム「〈少女〉は語る /〈少女〉を語る」をネット配信で視聴。多くの示唆を与えられたのですが、もっとも収穫だったのは以下の考察。
〈少女〉とはすなわち、年齢やジェンダーだけでは同定することのできない、(行為や様態によってその主体が規定される)述語的存在からはかけ離れた空虚な主体、あるいは逆に(他者によって)過剰なる意味を投射された(そしてそれを自己表象として組み込む)透明なシニフィアンなのである。
日本近代文学会東海支部 シンポジウム(第37回研究会)- 少女文化と文化資本 坪井秀人(名古屋大学)
このブログで幾度か言及した、桜庭一樹の『ブルースカイ』でも実験的にこの設定が取り入れられていました。そして、先日わたしが書いた百合との距離感についての小文にも援用できそうです。
3. きのう借りてきて観たんだけど、これは最高ですね。買おう。
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2009/04/22
- メディア: DVD
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