コケティッシュ爆弾

このあいだようやく西原理恵子原作の映画『女の子ものがたり』を借りてきて視聴したのですが、これがもう想像の斜め上をいく素晴らしさで。親父と息子なんかではよく見るパターンのフックなのですが、女の子同士でこういうのはまず見たことがなかったので・・・素でガチ泣きしてしまいました。女子の友情ものがお好きな方なら、かなりガツンとくると思われます。おすすめ。でもって「姉妹ものなら大体観る」と公言しているキャメロン・ディアスの『わたしのなかのあなた』も視聴。こちらはうっすらストーリーを知っていたのだけど、なんか、まぁまぁかなぁと。わたし姉妹ものには相当点が甘くなるクチなんですがこれはあんまりだった。ちょっと珍しい。が、当初姉妹役にはファニング姉妹がキャスティングされていたそうなんですね。もしそれが実現していたら、かなりキタんじゃないかなぁと思ったり。で、本日のメインは、そのダコタ・ファニングクリステン・スチュワートの『ニュームーン / トワイライト・サーガ』コンビが主演した『ザ・ランナウェイズ』の日本公開が危ういかもという話。

“ザ・ランナウェイズ”は、アメリカで75年〜79年まで活躍した、ティーンエイジャーの5人組女性ロックバンド。コルセットやガーターベルトなどランジェリー姿の過激なファッションでも注目を集め、後のガールズバンドに多大な影響を与えた。うち、ジェットはソロとしても「アイ・ラブ・ロックンロール」などのヒット曲を生み、女性ロッカーのアイコン的存在。今回の映画化にも製作総指揮として関わっており、6月15日には、ジェット役のスチュワートとファニングに会って、彼女たちの歌に耳を傾けたと伝えられている。ところで、スチュワートとファニングは、「トワイライト」の続編「ニュー・ムーン」でも共演しているが、米ライフ&スタイル誌が報じたところによれば、この「チェリー・ボム」には2人の濃厚なキスシーンがあるとのこと。ジェットはレズビアンであることを公表しており、映画では、メンバーやほかの女性たちとの関係も描かれるものと見られている。
eiga.com - ダコタ・ファニングと「トワイライト」クリステンが、新作で濃厚キスシーン!

上記はちょうど1年前、撮影に入ったときのニュース。ビアンカルチャー系サイトなんかでもちょろちょろ話題になり、期待されていたわけなのですが・・・。

7月20日ですよ。公開開始から4ヶ月を切る早さです。アメリカでは残念な成績だったけど続々世界公開も決まる中、一部の国では公開よりも先にリリースすることになります。台湾まで来るのに日本はどうなってんの! それから発売元はソニー。日本ではビデオスルーだとしてもソニーが出してくれると期待したい。でもゴースト・ハウスの時日本での配給をしなかったので(配給は東宝東和、DVDはポニーキャニオン)あんまり期待はできないかも。
クリステン・スチュワート ファンサイト - The RunawaysのDVD&ブルーレイの発売日決定

なんでも『ニュームーン / トワイライト・サーガ』の100分の1ぐらいの動員数とか。本気でボロボロだった『櫻の園』ほどとは言いませんが、さっぱりのようですな。おっさん向けの部活少女ものとかだと日本ではそこそこいく気がするんですけど、やっぱ女の子メインの観客を当て込んで外すと悲惨なことになるようですねぇ。なんだこのトホホ感。でもって、ジョーン・ジェットがビアンとして正式にカミングアウトしてるわけじゃないよという話題。

実際、今日ではジョーン・ジェットはレズビアンであると一般的にも認識されています。たとえば音楽出版社から2004年に刊行されたムック本『ウーマン・イン・ロッククロニクル――40人&400枚で知る女性とロックの20世紀』に掲載されている、レズビアン・アーティストについてのコラムの中でも、やはりジョーン・ジェットの名前が挙げられています。が、しかし。ジョーン・ジェットは、自分の性的指向について、実は明言していないんです。Wikipedia のジョーン・ジェットの記事を見てみると、ページ下部にある関連カテゴリ一覧には、LGBTに関するカテゴリは、いっさい含まれていません。これはおそらく、彼女が自身の性的指向について明言をしていないのを受けてのことだと思います。
ブログ版 Queer Music Experience. - 悩殺爆弾、再び投下。

何度か引用させていただいている「ブログ版 Queer Music Experience.」さんの記事でした。元記事には、「ではジョーン・ジェット自身は自分のセクシャリティをどのように認識しているのか」、またダコタ・ファニング演じるシェリー・カーリーとジョーンが当時同性愛的な関係であったのか否かの真相についてなども記載されています。必読。では最後に、上記引用文中にも出てきた『ウーマン・イン・ロック クロニクル』に、山崎まどかさんが寄稿した記事を引いておきます。

何をもってガールズ・ロックの祖とするかは意見が分かれるところ。しかしガールズ・ロック・ファッションの原点を選ぶとするならば、70年代のスージー・クアトロとランナウェイズがベストという気がする。それ以前にも女性ミュージシャンはたくさんいたし、同時代にだってもっとファッショナブルなガールズ・シンガーはいた。しかし、クアトロのバイカー・ファッションやランナウェイズの下着ファッション以上に「自分たちはロックをやっている女の子だ」と主張するスタイルは存在しなかったといっていい。ランナウェイズのビスチェとガーター・ベルトは、やがてマドンナというファッション・イコンに流用されて80年代の女の子たちに支持されるようになる。(山崎まどか - ファッションとガールズ・ロック)


そうそう、チェリー・ボムといえば、ラズベリー賞を総舐めにした80年代きってのB級SF映画ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』の中で、リー・トンプソンの組んでいるギャルバンの名前として記憶している方もおられるかもしれませんね。わたしもそうっていうか、当時映画評で「元ネタはザ・ランナウェイズ」と書いてあるのを読んだんですけど。